「西本幸雄・嶋清一生誕100年展 不屈の闘将と戦火に散った大投手」が現在、「わかやまスポーツ伝承館」(和歌山市本町2、TEL 073-423-2215)で開催されている。
第25回全国中等学校優勝野球大会優勝旗と和歌山中学・海草中学の復刻ユニホーム
和歌山県出身で共に1920(大正9)年生まれの元プロ野球選手・監督の西本幸雄と甲子園大会(全国中等学校優勝野球大会)で活躍した伝説の投手・嶋清一を紹介する同展。両選手の写真パネルやユニホーム、優勝旗などゆかりの品を展示する。
西本氏は旧制和歌山中学校(現・桐蔭高校)出身。立教大、社会人野球で活躍し、1950(昭和25)年にプロ野球・毎日オリオンズに入団。引退後は大毎、阪急、近鉄と3球団で監督を務め、すべての球団をリーグ優勝に導くなど、計8度のリーグ優勝を果たした。日本シリーズを制することはできなかったことから、悲運の名将と呼ばれた。1988(昭和63)年に野球殿堂入り、2011(平成23)年没(享年91歳)。
嶋氏は、1936(昭和11)年に旧制海草中学校(現・向陽高校)へ入学し、1939(昭和14)年の夏の甲子園大会(第25回大会)の準決勝・決勝でノーヒット・ノーランを達成するなど、5試合連続完封しチームを優勝に導いた。明治大学野球部で活躍し、戦前最後の主将となるが、学徒動員で海軍に配属され、1945(昭和20)年にベトナムの海岸付近で戦死した(享年24歳)。2008(平成20)年に特別表彰を受け、野球殿堂入りを果たした。
江川哲二館長は「野球界に名を残した2人が生誕100年の節目に、桐蔭・向陽高校と両野球部OB会、甲子園歴史館、野球殿堂博物館、西本さんの親族など、たくさんの人の協力で貴重な品を展示できた。年配の人には懐かしい資料をお楽しみいただき、若い人には和歌山出身で大活躍した先人がいたことを知ってもらいたい」と話す。
開館時間は10時~19時。入場無料。11月16日まで。