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和歌山県立博物館で「きのくにの物語絵」 現代の絵解き文化も紹介

道明寺で絵解きに使われていたという絵巻物

道明寺で絵解きに使われていたという絵巻物

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 企画展「きのくにの物語絵 絵解きの聖地・和歌山」が現在、和歌山県立博物館(和歌山市吹上1、TEL 073-436-8670)で開催されている。

触って読める図録

 物語を絵で表現した「物語絵」の絵巻物や屏風など20点を紹介する同展。和歌山県では、寺社の縁起を題材とする縁起絵とも呼ばれる物語絵が、高野山や熊野三山などの信仰の地で発達し、継承されている。

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 展示は4章構成。1章では、菅原道真を祭る天神神社(和歌浦天満宮)の物語や熊野三山の神話など、寺社の由緒や霊験を描いた縁起絵巻を展示。2章は、長沢芦雪が松を植え続けた中国禅宗五祖を指で描いた「五祖栽松図」や新古今和歌集に94首載る歌人・西行の生涯を描いた「西行物語絵巻」など、思慕された人々の物語を描いた作品を並べる。3章で展示する「道成寺縁起」は、逃げる僧・安珍と蛇の姿になって追う清姫を描いた御伽草子(おとぎぞうし)に、地域に伝わる清姫腰掛石や袈裟掛松が描き加えられている。放屁し合う滑稽な争いを描いた作品「放屁合戦絵巻」は、貴族や僧にも楽しまれ、受け継がれてきた。4章は、宗教的聖地が点在する和歌山では、僧や尼が布教や勧進で縁起絵や物語絵の内容を唱導する「絵解き」が盛んに行われてきたことを紹介。高野山、道成寺、熊野三山の現代の絵解き文化を解説する。

 学芸員の大河内智之さんは「テキストの物語に絵の表現が加わり、天皇や貴族など一部の人だけが見ることのできるマジカルアイテムだった絵巻は、物語を楽しむ要素が付随し広く普及した。現代も、道成寺で年間3000回の絵解きが行われるなど、和歌山には生き生きした絵解きの文化が残っている。さまざまな芸能で物語を楽しんでほしい」と話す。

 開館時間は9時30分~17時。入館料は、一般=280円、大学生=170円、高校生以下・65 歳以上・障害者手帳所持者・県内在学中の留学生無料。月曜休館。4月18日まで。

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