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和歌山・有田川町の法蔵寺で「奉納花火」 支援募集

法蔵寺の若宮秀朋住職

法蔵寺の若宮秀朋住職

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 法蔵寺(有田川町井口)が現在、「奉納花火」支援者を呼びかけている。

過去に開催された、奉納花火

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 内崎山に建つ同寺は、有田川町出身の僧・明恵上人が鎌倉時代に修行した紀州八所遺跡。卒塔婆のほか、金刀比羅宮、九十六のほこらなどがある。江戸時代末期に浄教寺(長田)の奥之院になった。地域住民からは「大師山」「おだいっさん」と呼ばれる。現在は、同寺奉賛会と地域住民が協力し、倒木や古木の伐採、石垣などの修繕工事などの整備を行っている。

 「奉納花火」は毎年8月20日の夜に田殿橋周辺で75発の花火を打ち上げる恒例行事。2005年(平成17年)には同行事が同町の無形文化財に指定された。若宮秀朋住職によると、太平洋戦争と水害時を除き、江戸時代後期から地域住民の出資で開催してきたが、人口減少などで年々、資金集めが難しくなり、コロナ禍で中止を検討したという。7月22日からクラウドファンディングで支援を呼びかけ、開始3日で目標の50万円を達成し、今年も奉納花火を開催する。現在は老朽化した参道や照明などを修復する費用として次の目標額を100万円に定め、支援を呼びかけている。

 若宮秀朋住職は「子どものころは露店が並ぶ、盛大な行事だった。代々預かってきた伝統行事を後世に伝えていきたい。クラウドファンディングの応援コメントに励まされている。花火を見て、懐かしんでもらったり、子どもたちの思い出にしてもらったり、災害や戦没者供養など、それぞれの思いにつなげてほしい」と話す。「内崎山に登り、風情や景色を楽しんでもらえれば。人口は減少し、寺の存在意義も変わってきた。受け継いだものを維持することは大変だが、周りの人たちが優しさで支えてくれるので諦めずにがんばりたい」とも。

 募集締め切りは8月19日23時。

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