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和歌山で映画「Yokosuka1953」舞台あいさつ 木川監督と津田寛治さんが登壇

(左から)舞台あいさつしたナレーションの津田寛治さんと監督の木川剛志さん

(左から)舞台あいさつしたナレーションの津田寛治さんと監督の木川剛志さん

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 和歌山大学観光学部の木川剛志教授が監督を務めた映画「Yokosuka1953」の舞台あいさつが2月4日、「ジストシネマ和歌山」(和歌山市松江向鵜ノ島)で行われた。

「七曲ブルース」に出演した落語家・ぴょんぴょん亭うさぎさんから花束を受け取る木川さん(右)

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 当日は184席のシアターに147人の観客が来場。上映後に木川さんとナレーションを務めた津田寛治さんが登場すると大きな拍手が起こった。木川さんと津田さんは、2人の出会いや関係性、映画を通じて感じる戦争のこと、映画には入れられなかったエピソードなどを話した。最後に、木川さんが監督を務めた短編映画「七曲ブルース」で主演を務めた子ども落語家・ぴょんぴょん亭うさぎさんから2人に花束が贈られた。

 同作は、戦後混乱期の横須賀で外国人男性と日本人女性の間に生まれ、5歳で国際養子縁組しアメリカに渡ったバーバラ・マウントキャッスル(日本名=木川洋子)さんの実の母を、木川さんが探すドキュメンタリー。

 津田さんは「木川さんはとても誠実で、長く付き合いをしていきたい。素材映像などを拝見し、ナレーションの話を快諾した。ナレーションを務める際は感情的にならないよう、観客が心の中でつぶやくような言葉をイメージした」と話す。「バーバラさんの人柄にすごく心を動かされた。この映画と出合い、自分の人生を見つめ直した。この映画を見た人が、足早に歩いている人生の中で少しだけ歩みを緩めて、自分自身を見つめ直す機会になっていたらうれしい」とも。

 木川さんは「資料として『戦災孤児』『混血児』は知っていたが、自分の心の中に現実のものとして入ってきたのは、今回のバーバラさんとの出会いがあったからこそ。リアリティーを持って戦争を感じられる人は、経験した人か誠実に向き合った人。こういう人が増えないとまた戦争が起こるのでは」と話す。「今回の舞台は横須賀だが、横須賀だけの話ではない。和歌山の歴史でも、当時人々が感じた痛さ、言葉で伝えられない何かを伝えていくには、今なんとかしなくてはならない。和歌山大学の教員としても責任を持って取り組みたい。映画を通じて自分の住む地域のことを考えていく契機にしていただければ」とも。

 同映画は「ジストシネマ和歌山」で2月16日まで上映する。

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