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和歌山・有田川町の「カネイワ醤油」が110周年 国産原料を昔ながらの製法で

「カネイワ醤油本店」社長の岩本行弘さん(右)と庄平さん

「カネイワ醤油本店」社長の岩本行弘さん(右)と庄平さん

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 しょうゆ蔵元「カネイワ醤油(しょうゆ)本店」(有田川町小川、0737-32-2149)が今年、創業110周年を迎えた。

「カネイワ醤油本店」の商品

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 湯浅でしょうゆ作りの修業をした岩本政吉さんが大正元(1912)年に高野山系から湧き出る良質の水のある同地区で創業したしょうゆ蔵。丸大豆や小麦など国産原料を仕入れ、もろみ作りから手作業で行い、たるを使う伝統的な製法で約2年間をかけ、しょうゆを作る。

 4代目の岩本行弘社長は、看護師として17年間和歌山県に勤務。先代から蔵を引き継ぎ、現在は有田川町商工会会長や「和歌山放送」でラジオ番組「Let's有田リアン」のパーソナリティーを15年以上務めるなど、幅広く活動する。昨年からは奈良県の酒蔵で修業をした長男・庄平さんも共にしょうゆを仕込む。

 販売商品は「天然醸造醤油」(900ミリリットル、1,026円)や「かけしょうゆ」(900ミリリットル、1,188円)「たまごかけご飯のしょうゆ」(300ミリリットル、724円)、「にんにく醤油」(180ミリリットル、572円)のほか、麺つゆ、酢、ドレッシング、焼き肉のタレなど。有田地域では「濃口醤油」(一升、880円)を販売する。

 岩本社長は「しょうゆメーカーは全国に1000以上あるが、原材料を仕入れ、一貫生産する蔵は1割ほど。丸大豆と小麦など国産原料を使う蔵は本当に少ないので、料理人からの問い合わせもある。昔ながらの作り方は手間も時間もかかるが、これからも手塩にかけて造ったしょうゆを喜んでくれる人たちに届けたい」と話す。今後の展望は「大豆と小麦の国内自給率は低下しているので、自家栽培して地産地消のしょうゆ作りに挑戦したい」と意欲を見せる。

 営業時間は月曜~土曜=9時~17時30分。日曜・祝日定休。同店ほか、石本酒店(天満)やファーマーズマーケット「どんどん広場」(庄)・「ありだっこ」(土生)、近鉄百貨店(和歌山市友田町5)などで販売する。

※一部名前の漢字に誤りがありましたので修正いたしました(2022年1月5日 11:30修正)

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