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和歌山大学松下会館がリニューアル 新たな学びの場に

リニューアルした和歌山大学松下会館1階エントランスホール

リニューアルした和歌山大学松下会館1階エントランスホール

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 和歌山大学松下会館(和歌山市西高松1)が2月5日、リニューアルオープンした。

2月5日に行われた和歌山大学松下会館オープニングセレモニーであいさつする伊東千尋学長

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 2階に大ホールやセミナールームのほか、オンラインコンテンツ制作に対応した「アクティブラーニングスタジオ」、協働スペース「イノベーションコモンズ」など、新しい学び方・働き方に合わせ改装した同施設。1階には同館建設の経緯や施設の特徴、1961(昭和36)年の開館時の「和歌山大学学報特輯 松下会館会館記念号」の内容を紹介するスペースを設ける。

 同館は和歌山市出身の故・松下幸之助さんからの寄付で、当時の和歌山大学経済学部構内に建設された。設計は旧和歌山市役所の設計を行った故・渡辺節さん。同大学によると、1階に食堂や売店、集会室、学生相談室、2階に映写室、和室、音楽練習室、クラブ連絡室などがあり、館内は学生でにぎわったという。1987(昭和62)年、経済学部の栄谷キャンパス移転に伴い閉鎖。1998(平成10)年に生涯学習教育研究センターとして再オープンして約20年間、地域連携や生涯学習の拠点として活用された。2017(平成29)年に同センターが栄谷キャンパスに移転し、放送大学和歌山学習センターのみが入居する状態が続いていた。2019年に同大学創立70周年記念事業として再整備を始め、「地域と共創する大学」のシンボルと位置付け、3度目の開館に踏み切った。

 当日は、和歌山県と和歌山市関係者、和歌山商工会議所会頭など経済団体の代表、寄付者を招待し、オープニングセレモニーを行った。寄付者の卒業生たちは当時の思い出話に花を咲かせ、館内を見て回っていた。

 伊東千尋学長は「学長になり、最初に決めた大きな事業がこの松下会館の再生。松下幸之助さんの意思と渡辺節さんの設計を生かすことを重視した。昔ながらの風情を残しながら、機能的なものに改修した。松下会館は、これまでの和歌山大学をこれからの和歌山大学につないでいく大きな役割を果たす」と話す。

 同館リニューアルを担当した西川一弘准教授は「地域、NPO、企業の皆さんと共創し、地域づくりや新規事業の開発、起業など、新たな価値を生み出す拠点にしていきたい」と意気込む。

 現在は、エントランスホールのみ見学できる。今後は、同大学主催・共催のセミナーや講座に活用していく方針という。開館時間は10時~17時。月曜休館。

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