県民交流プラザ・和歌山ビッグ愛（和歌山市手平）で6月10日、女性杜氏（とうじ）・藤田晶子さんの講演会「伝統の技と心をつないで～ひと雫（しずく）に懸ける女性杜氏の想（おも）い」が開催される。主催は「和歌山eかんぱにい」（太田2）。

吉村秀雄商店が造る日本酒「車坂」

　藤田さんは東京都出身。2003年に東京農業大学醸造科学科卒業後、石川県で農口尚彦杜氏に師事し、10年修業を経て2013年に「吉村秀雄商店」（岩出市畑毛）の杜氏になった。

　藤田さんは「吉村秀雄商店にも女性と男性の蔵人（くらびと）がいる。今回は、この仕事をする上で性差について改めて考えたことをお話ししたい。性差について参加者の皆さんとディスカッションできれば」と話す。「杜氏として、皆さんには『日本酒はおいしい』ということも伝えたい」とも。

　和歌山eかんぱにいは、和歌山県男女共生社会推進センター主催の人材育成講座修了生らが、2008年4月に任意団体として立ち上げ、学識経験者や専門家などが加わり2009年5月に特定非営利活動法人になった。3つのキーワード「ジェンダーイクォリティー」「エンパワーメント」「エンカレッジ」を軸に、「一人一人が持てる力を十分発揮できる男女共同参画社会の実現を目指して、活力ある『あたたかで元気なふるさと』づくりに寄与すること」を目的に活動する。会員は約20人。

　会員の山崎奈美さんは「お酒イコール男性の世界というイメージがある。どんな思いで、男性の世界へ入り、どんなスタイルをつくっていったのか、藤田さんが歩んできて意識していることなどを話していただき、女性の活躍を広めていくのに何が必要か学びたい。男性も一緒に聞いてもらいたい」と話す。

　開催時間は13時30分～15時。参加無料。定員は20人。要事前申し込み。

※「県内唯一の女性杜氏」が誤りのため削除しました（6月7日16:00修正）。