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和歌山大が「サイバスロン」世界一目指す 資金支援呼び掛け

電動車いすの研究・開発を行う和歌山大学の中嶋秀朗教授

電動車いすの研究・開発を行う和歌山大学の中嶋秀朗教授

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 和歌山大学(和歌山市栄谷、TEL 073-457-7584)が現在、「サイバスロン」出場のための資金支援者を募集している。

チーム「RT-Movers」のメンバー

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 同大学システム工学部の中嶋秀朗教授を中心としたチーム「RT-Movers(アールティームーバーズ)」の国際競技大会「サイバスロン」出場のため、同大学ではクラウドファンディングサイト「Readyfor」を通じ、大会出場に必要な、チームの渡航費・滞在費、機器の運搬費などの資金支援者を呼び掛けている。目標金額は150万円。

 「サイバスロン」は最先端の技術を駆使した義手や義足、電動車いすなどを使い、障がいのある人が日常生活に必要な動作で競う世界大会。新しい人間支援技術を日常生活に取り入れやすくすることを目的に、2016(平成28)年にスイスで初開催された。中嶋教授らは、同大会に出場し4位入賞の記録を残した。第2回大会は、5月にスイスで開催される。

 同チームは「電動車いす部門」に出場。今回はパイロットにオーダーメードの車いす製作を行う「紀州車椅子サービス」(木ノ本)の社長で、自身も車いすで生活する守田昌功さんを迎え、学生3人と菊地邦友助教、中嶋教授の6人で大会に臨む。

 大会に向けて新たに開発した電動車いす「RT-Mover PType WA Mk-Ⅱ」は、重さ約90キロの四輪車体で、それぞれの車輪が独立して駆動し、歩くように動かすことができる。大きな重心移動と可動範囲の広さによりパイロットは水平を保つことができ、階段や坂道の昇降、傾斜地など整地されていない地面を移動できる。パイロットはゲーム機用コントローラーで車体を操縦する。

 中嶋教授は「多くのチームはキャタピラを採用しているが、四輪型の車いすは実生活で使う道路で走りやすい。この技術を実用化すれば、平面だけでなく3次元の移動がもっと自由になる。災害時にも、人が歩くのと同じように移動し避難することができる。大きさを変えることで人だけでなく物を載せて運ぶこともできるなど、さまざまな応用ができる」と話す。「パイロットが操縦しやすいように調整し、練習する場所や体制を確保し優勝を目指す。これからも人に役立つ機械、人と融合する機械が実現する世の中を目指して研究に取り組んでいきたい」とも。

 クラウドファンディング支援募集締め切りは2月28日23時。

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