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和歌山で公共空間とまちづくりテーマに講演会 120人が参加、質疑応答に熱気

講演会「公共空間からまちを再生する」の様子

講演会「公共空間からまちを再生する」の様子

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 まちづくり講演会「公共空間からまちを再生する」が7月8日、和歌山市立伏虎義務教育学校(和歌山市鷲ノ森)で開かれた。主催は一般社団法人「市駅グリーングリーンプロジェクト」(杉ノ馬場)。

参加者が講師小野寺康さんに質問する様子

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 同法人は、市駅地区商店街連盟、城北地区7自治会、和歌山大学永瀬研究室で作る「市駅まちづくり実行委員会」の主要メンバーを中心に2018(平成30)年に設立。市堀川の航行や、和歌山市駅前通りに芝生を敷いて市民がくつろげる公共空間を作るなどの社会実験を通し、駅周辺を対象に人と環境に優しいまちづくりの実現を目指し活動する。

 当日は約120人が参加。全国各地の都市のデザインを手掛けた「小野寺康都市設計事務所」社長の小野寺康さんが、道後温泉周辺(愛媛県)や出雲大社表参道(島根県)、東京駅前広場、女川町駅レンガみち周辺(宮城県)などの都市整備事例を紹介した。

 小野寺さんは「和歌山市は歴史と伝統が根付き、景観がとても素晴らしい。紀州の30万都市として名高い。部分的に整備されてはいるが、現状はまだ一つの街として機能していない。積極的に議論を交わして、個々の場所の特徴を生かしたデザインを施し、最後に点と点を結んで機能させれば、街は変わる可能性を秘めている」と話した。

 講演後には質疑応答が行われ、参加者からの「車社会の和歌山で、人の流動性を高めるにどのような解決策があるか」という質問には、小野寺さんは「中心市街地を区切り、通過交通に時間制限などを設け、人の流れをもっと意識してみては」と答えた。

 理事長の垂井一さんは「和歌山市の課題は、点と点が結ばれず街として十分に機能していないこと。個人が意見を述べ、解決策を提案し課題を克服していく必要がある」と話す。「公共空間を変化させ、人の行き交いを増やして商業が活発になれば和歌山全体が再生、発展できる」と意気込む。

 副理事長で和歌山大学観光学部准教授の永瀬節治さんは「駅だけを変えるのではなく、骨格となる周辺の公共空間を整備するには、市民の力が重要になる。衰退の一途を辿る和歌山の街を自ら変えていく意識をもってもらえば」と話す。

※女川町駅レンガみちの名称を訂正しました(7月13日 10:00訂正)

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