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和歌山城公園でセミ抜け殻採集 セミの種類から環境調査

セミの抜け殻を集める子どもたち

セミの抜け殻を集める子どもたち

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 「お城でセミの抜け殻調べ隊」が8月18日、和歌山城公園(和歌山市一番丁)で開催された。主催は、わかやま生き物クラブと和歌山県地球温暖化防止活動推進センター。

セミの抜け殻を分類する様子

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 同クラブは「子どもや市民が生き物や自然環境に関心を持ち、自分の調べたいテーマを見つけ学んでほしい」と、2018(平成30)年10月に発足。これまで、和歌山城公園動物園で動物観察会や、岩出図書館周辺で生物観察会を開催した。

 当日は子ども12人と大人10人が参加。和歌山城周辺の2カ所でセミの抜け殻を探し、比較調査を行った。台風10号の影響で地面に落ちた抜け殻が多く、地面を観察し抜け殻を集め、木に残った抜け殻は虫取り網で採集した。そのほか、昆虫採集や自然観察を行い、鳥や昆虫など、さまざまな生物を発見した。

 セミの生態について説明を受けた参加者は、集めた抜け殻を、泥が全体についているかどうかや、触角の特徴、おなかの出っ張りの有無などで分類。集計結果は、和歌山城公園動物園付近にクマゼミが244(64%)、アブラゼミ127(33%)、ニイニイゼミ8(2%)、ツクツクボウシ1(0.2%)、ミンミンゼミ1(0.2%)、汀公園ではクマゼミ102(87%)、アブラゼミ13(11%)、ニイニイゼミ2(2%)だった。クマゼミが温暖で乾燥した環境を好むことやニイニイゼミやツクツクボウシ、ミンミンゼミが乾燥の嫌う習性があるとレクチャーを受け、2つの採集場所の樹木数やアスファルト、ビルなどの周辺環境から、湿度などの環境の違いを考えた。

 和歌山市から親子で参加した女性は「セミの抜け殻で環境が分かることに驚いた。抜け殻を探しているうちに木の見え方が変わり、大人も楽しめた。子どもたちには自然を知るきっかけになれば」と話す。

 同クラブ代表の松本朱実さんは「参加人数が多かったので、たくさんの数を見つけられ、データ化できてよかった。今回はこちらからテーマを用意したが、それぞれがテーマを持って木や身近な自然を観察したり、本で科学的に分析したり、つながりを広げていってほしい」と話す。

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