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南海高野線・極楽橋駅がリニューアル 赤と黒で「俗世と聖域」表現

リニューアルした極楽橋駅ケーブルカー側コンコース

リニューアルした極楽橋駅ケーブルカー側コンコース

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 南海電鉄高野線・極楽橋駅の駅舎が7月20日、リニューアルした。

リニューアルした極楽橋駅鉄道側コンコース

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 同駅は1929(昭和4)年開業。なんばから極楽橋駅までの電車ホームと高野山へ続くケーブルカー乗り場を備える。3月から駅の改修を進め、4月21日にお披露目を予定していたが、緊急事態宣言発令を受け、延期していた。

 駅名になった朱塗りの「極楽橋」は、高野山の聖域と俗世を区切る結界とされることから「はじまりの聖地、極楽橋」をコンセプトに、電車側コンコースを「俗世」、ケーブルカー側コンコースを「聖域」に見立て、改装した。

 電車側コンコースは黒を基調とし、「いのちのはじまり」をテーマに極楽鳥や高野山ゆかりの動植物など約50種を天井画にした。ケーブルカー側コンコースは赤色と白色で構成する「宝来(ほうらい)」と呼ばれる切り絵をモチーフに、極楽鳥やえと、縁起物を天井に描いた。そのほか、高野山への入り口として手を清める意味を込めガラスアートを用いた手水舎(ちょうずや)や極楽鳥の羽をイメージしたペーパーフェザーを飾る「極楽鳥の願掛羽(がんかけばね)」を設置する。ペーパーフェザーは全4色で、1枚100円(赤、白=常時販売、薄紅=5と9のつく日のみ販売、金=天空車内販売のみ)。毎年3月の「高野の火祭り」でたき上げる。

 20日はケーブルカー側コンコースでセレモニーが開かれ、南海電鉄鉄道営業本部長の梶谷知志さんが「これまで高野山駅のリニューアル、ケーブルカーの更新、九度山駅のおにぎりスタンドや高野下駅舎ホテルなど、高野山山麓エリアの活性化を進めてきた。4月以降運休していた『天空』も今日から運行再開し、今後も沿線最大の観光地・高野山エリアの活性化に取り組んでいきたい」とあいさつした。

 このほか、「はじまりの手水舎」と「極楽鳥の願掛羽」の除幕式、金剛峯寺宗務総長公室長の山口文章さんら僧侶5人による祈願、6月に就任した高野町教育委員会教育長や4月から行法師として奥之院で修行を始めた僧侶などのゲストと高野町立高野山小学校の児童らによる願掛羽体験などが行われた。

 駅では、新しくなった駅舎を撮影したり、限定販売グッズを購入したりする鉄道ファンや駅員に天井画について尋ねる観光客の姿が見られた。

 同社の仲矢明子さんは「当駅は電車とケーブルカーの乗り換えだけでなく、清流と緑に囲まれたきれいな空気が流れる場所。元々のロケーションに加え、天井絵巻や手水舎などコンテンツを用意し、高野山の入り口にふさわしい場所になった。幅広い世代の人に足をお運びいただき心身共に癒やしてもらいたい」と呼び掛ける。「今後、高野山の観光シーズンに合わせ、高野町と協力しプロモーションに力を入れていきたい」と意気込む。

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