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和歌山・根来寺の遺跡展示施設が全面公開 最新技術でレプリカ展示も

GRCで作ったレプリカを使って遺跡を紹介する県職員

GRCで作ったレプリカを使って遺跡を紹介する県職員

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 道の駅「ねごろ歴史の丘」に隣接する「根来寺遺跡展示施設」(岩出市根来)が11月21日、全面公開された。

旧議事堂、道の駅、歴史資料館と併設する遺跡展示施設

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 同施設は、旧和歌山県会議事堂移転事業に伴い発掘調査した遺跡の整備を目的に開設。4月には、北側約350平方メートルが完成し、プレオープンした。繊維強化プラスチック(FRP)製の実物大レプリカを展示する「半地下式倉庫展示施設」や各分野の専門家が時代考証した解説板、出土品のつぼや皿、瓦などの触れるレプリカなどを公開した。

 全面公開となった21日からは新たに「階段遺構展示施設」を公開。狭い丘陵に立ち並んだ根来寺の子院を結ぶ階段と通路跡をシリコンで型どり、ガラス繊維強化セメント(GRC)で精巧に再現した。実際の遺跡はレプリカの地下約1メートルにあるという。そのほか、発掘されたさまざまな形の石造物を展示する。

 展示スペースにはスロープを設置したほか、点字や4カ国語での読み上げに対応するスマートフォンアプリを導入した。

 県教育庁文化遺産課の田中元浩さんは「遺跡は保存が難しく、実物の展示にはコストもかかる。レプリカは雨風に強く、触ってもらえるなど利点が多い、持続可能なモデル。GRCを使って、ここまで大規模なレプリカの展示は国内でも例がない。歴史資料館、議事堂と合わせて、当時、400近い子院があり、日本でも屈指の勢力を誇った根来寺の歴史に触れてほしい」と話す。

 同施設では今後、考古学と絵画のワークショップなど歴史にちなんだイベントを開催する。

 開場時間は9時~17時。入場無料。

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