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和歌山・和歌浦の旧福島嘉六郎邸で「日本庭園の価値」考える会

旧福島嘉六郎邸外観

旧福島嘉六郎邸外観

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 「旧福島嘉六郎邸」(和歌山市和歌浦中3)の庭園の価値を考える会が6月21日、和歌浦玉津島神社近くの同邸宅で開かれた。主催は、南海電鉄和歌山支社(東蔵前丁)と和歌山大学(栄谷)。

建物内から見る伽羅岩を生かした庭園

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 1929(昭和4)年に建てられた同邸宅は、「和歌山綿布」社長の福島嘉六郎さんの別荘。福島さんは明治以降、和歌山市で製造が盛んだった綿フランネル「紀州ネル」に使われた金属凹型の捺染(なっせん)技術を開発した。

 同会は庭園と建築の関係や在るべき姿を読み解くことをテーマに開催し、市内から約40人が参加した。参加者は邸宅内や庭園を見学しながら説明を受け、作庭家の野村勘治さんから「日本の庭園の在り方」について話を聞いた。

 参加した地元の女性は「初めて建物に入った。野村さんの話を聞いて、桂離宮と同じ文化が感じられる優雅な邸宅だったことがわかってうれしい。地元NPOの人たちによる清掃で、庭園や邸宅が見えるようになり感謝している。庭園や邸宅、福島さんの功績をもっとたくさんの人にも知ってもらえたら」と話す。

 講師の野村さんは「建築と庭は表裏一体。庭を見守る人がいて、きれいにしようと思う気持ちが、庭を磨くことになる。伽羅岩(きゃらいわ)や不老橋などの歴史的な景観も含め、この場所を考えてほしい」と呼び掛ける。

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