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和歌山・かつらぎ町で最後の「四郷串柿祭り」開催迫る-26年の歴史に幕

四郷の平地区で串柿が干されている風景

四郷の平地区で串柿が干されている風景

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 串柿の産地として知られる和歌山・かつらぎ町北部の四郷地区で11月23日、最後の「四郷串柿まつり」が開催される。

串柿祭り会場で予定されている「串柿作り体験」の様子

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 同地区は、大阪府と和歌山県を区分する和泉山脈の南斜面中腹、標高約300メートルの山間地。東谷、平、滝、広口の4つの村を総称して「四郷」といわれている。

 串柿とは「干し柿」の一種で、鏡餅、ダイダイとともに正月の祝い物として使われる。一本の串に刺される干し柿は、両端に結ばれた縄の外側に2個ずつ、内側に6個の計10個。「新玉(あらたま)の年の初めに、夫婦ニコニコ(2個)仲睦(むつ)ましく(6個)」という思いが込められているという。

 今回は、1988年から25回目で迎えた最終開催。理由は、もともと国道480号府県間トンネルの早期貫通を切望し、地域住民が地元を盛り上げるために始めたが、開通の目処がついたため。

 当日は、串柿作りの実演や体験、販売、地元産品の即売会が行われる。そのほか、ステージでは四郷こども千両太鼓(10時~)やマジックショー(11時30分~)、四郷千両太鼓(13時30分~)が予定されている。

 四郷の伝統芸能を継承している「四郷千両太鼓」代表の辻本英貴さんは「祭りだけでなく、雄大な風景の中に色鮮やかな柿が干されている風景や自然を見て楽しんでほしい。地元の人も歓迎しているので、交流を深められれば」と笑顔を見せる。

平地区の喫茶&直売所「柿えもん」を営む女性は「お祭りの時は四郷の良い景色を楽しみに来るお客さんが多い」と話す。「地元の人のまちおこしに関する意欲はすごい。祭りは今年で終わりだが、また別の形で多くの人に来てもらえる催しを考えているようだ」とも。

 メーン会場は、四郷地域交流施設ともがきグラウンド(旧四郷小学校)。JR和歌山線・笠田駅から北へ6キロほどの山間部でほとんど駐車場がないため、当日は駅から臨時バスを運行する。同会場から串柿景観地区へは無料シャトルバスも運行する予定。

 開催時間は10時~15時30分。

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