たいまつを投げる火祭り「佐野柱松(はしらまつ)」が8月16日、新宮港緑地公園(新宮市佐野)で行われた。
15人が円陣を組んで、御柱の籠に向かって高く投げ入れるたいまつ
同祭は、高さ15メートルの柱に設置した籠に火の付いたたいまつを投げ込み、害虫や病から農作物を守り、五穀豊穣(ほうじょう)を祈願する伝統行事。1960(昭和35)年に後継者不足で一度途絶えたが、1993(平成5)年に地元有志が復活させた。祭り復活から今年で34年目を迎え、実行委員会によると毎年約4000人が訪れるという。
当日は、会場のたいまつに火を付ける「火興し儀式」を行った。新宮を中心に活動する社会人ビッグバンド「サニーサイド・ジャズ・オーケストラ」が演奏で祭りの開幕を知らせ、チェーンソーを使って氷の彫像を作成するアイスカービング、和太鼓演奏、創作踊り、地元企業協賛の打ち上げ花火を行ったほか、キッチンカーも並び、たくさんの人でにぎわった。「心に火を灯(とも)す、佐野柱松」をテーマにSNSで写真を募集するフォトコンテストも開いた。
日が沈むと、低い位置に設置した籠目がけてたいまつを投げる「子どもたいまつ投げ」が行われた。小中学生など10人が挑戦し、籠にたいまつを投げ込むと仕掛けた花火が打ち上がり、集まった人たちから拍手と歓声が上がった。最後に「佐野木遣節」を歌いながら、籠を付けた「御柱(みはしら)」を立てるとたいまつ投げが始まった。柱を中心に円形に並んだ15人ほどが勢いよくたいまつを振り回し、籠を目がけて力いっぱい放り投げた。たいまつが籠に入ると御柱から花火が打ち上がり、ひときわ大きな拍手と歓声に包まれた。
「子どもたいまつなげ」で籠にたいまつを入れることに成功した男児は「友人と一緒に来た。参加は2回目。たいまつが入ってとてもうれしい」と満面の笑みを浮かべた。御柱の籠にたいまつを投げ入れた新宮市在住の南川慎二さんは「籠に入ったのは2度目。柱に近づき、高く投げた。来年も参加し、一番にたいまつを投げ入れたい」で話した。