和歌山市立鳴滝小学校近くにベーカリー「チックタック」（和歌山市園部、TEL 073-488-2954）がオープンして3カ月がたった。

店内に並ぶパン

　店主の輿石（こしいし）紘一さんは山梨県出身の33歳。高校時代にアルバイトしたフランス料理店のオーナーシェフが「フランス料理は全ての料理の原点。習得すればどんな料理店でもできる」と言ったことに感銘を受け、「エコール辻東京」で学び、山梨や東京などのフランス料理店で10年修業した。28歳でパン職人になることを決め、東京のパン店で腕を磨いた。2018年に妻の転職をきっかけに和歌山市に移住し、カフェ勤務を経て3月に同店をオープン。

　パンは、マリトッツォ、ベーコンエピ、フランスパン、パン・ド・ミ（フランスの食パン）1斤（以上280円）、熊野ポーク、エビチーズ、かんきつ類を使った「かんきつ」（以上320円）など30種ほどを12坪の店内に並べる。

　輿石さんは「パンの発酵には自家製酵母を使用する。自信作はパン・ド・ミ。生クリームなどを使わず、小麦、塩、酵母、水、砂糖のみで作り、水分量を多くしている。そのため、持つと重いがフワッと軽い食感を実現できた」と話す。「地元の人がリピーターになってくれたほか、県外からのお客さまも来店してくれる。コロナ禍では難しいが、近所の子どもたちが気軽に遊びに来てくれる店にしていきたい。お客さまはもちろん、材料の生産者、運送業者、そして自分たち販売者、店に関わる全ての人が幸せになれる店でありたい」と意気込む。

　営業時間は10時～14時。木曜・日曜定休。